月夜の散歩道での一幕
夕食にぶっかけうどんを食べる。
野菜と蒸した鶏肉をのせたヤツ。
なんかテレビでもと思ってつけると、極楽とんぼの山本が復活云々だと。
くだらない茶番をしていた。
とても気持ちの悪いものを見た気分になったので、すぐにチャンネルを変える。
どれも面白くないなぁと思っているうちに食べ終わった。
後片付けをして、小説を読む。
東海林さだお氏の食べ物シリーズ。
とても面白いのだ。
食事のあとなのに、なんか食べたくなる。
小腹も膨れたので仕事を再開した。
カタカタとキーボードを打つ。
テンションを上げたくて音楽をかける。
本日はグルグル映畫館。
亡き天野鳶丸氏を思う。
さて、そんなこんなの今日このごろ。
相変わらず暑い。
夜なのに。
さて。
先日のことである。
以前書いたようにボクは夜に散歩という名のウォーキングをしている。
だいだい同じような時間に歩いているので、ウォーキングやジョギングをしている人たちとすれ違うことがあるんだよね。
その中の1人に、たぶん50代くらいのオジサンがいる。
どこにでも居そうなごく普通のオジサンだ。
ポクポク歩いておると、そのオジサンが前から歩いてきた。
いつものように会釈をして、すれ違おうとしたんだ。
ボクは道路の右側、オジサンは左側。
その距離は車2台分くらいある。
いつもならオジサンも会釈をしてすれ違うだけなのだけど、その日は違った。
オジサンは立ち止まると、自分の足を指差してニコニコしたんだ。
ん?
と思ってみると、オジサンの履いている靴がボクと同じメーカーのもの。
そこまできちんと見えたワケではないので、同じ靴かどうかは分からない。
けれど、デザインが非常に似ていた。
まるで、イヤミがしぇーをするようなポーズでオジサンは指差す。
うん。わかった。
わかったけど、どうしたらいいんだよ。
なに、なんか言って欲しいのかい?
顔見知りよりも軽い関係性の人にツッコミができるほどの社交性を、ボクは持ちあわせていない。
結局、ボクは苦笑いをうかべることしかできなかった。
しかし、オジサンはそれで満足だったようだ。
ニコニコとした顔のまま、去っていった。
ええと、うん。
正解だったの、かな。
なんか微妙な気分だったけど、それは悪くないものだ。
だけどさ。
次に散歩に行ったとき、どんな顔をすればいいのだろう。
それがイヤで道を変えたくなるんだけど、オジサンに悪いような気がする。
いやべつにそこまで気にするほどのこっちゃないんだけどね。
でも、なんかちょっと気になるじゃない。
オジサンからすれば、ちょっとハッチャケタだけなんだ。
でも、そのせいでボクを見かけなくなったら、余計なことしちまった、なんて思うのではないだろうか。
まぁ自意識過剰かって話である。