雑記帳

手巻きタバコとか趣味の物とかを書いています。

通学路であった不思議な話をしてみよう

お題「通学路の思い出」

 

今回ははてなのお題である「通学路の思い出」を書いてみたい。
と言っても、人にとってはなんだそれって話である。
が、ボクにとっては1つの思い出なので紹介しよう。

   

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小学生のときの話である。
ボクの実家から小学校までは、子どもの足で10分かからないくらいだった。
比較的に近い方に入ると思う。

登校するときは集団登校といって、近所で同じ小学校に通う子たちと一緒に学校に行くのだ。
もう今ではやってないのかな?

そして、帰るときは個別で帰る感じだね。
大抵は家が近い友達と一緒に帰ることになる。
ボクの場合は、近所の友だち連中のうち、同じクラスになったのは1人だったから、その子と毎日帰っていたわけだ。

けれど、その日はいつも一緒に帰っている友だちが風邪で休んでいたので、別のクラスの友だちを待っても良かったが、家も近いことがあって1人で帰ることにした。

ボクが子どもの頃に住んでいたのは大阪なのだけど、かなり田舎の方だったので、自然がいっぱいであった。
山を1つ超えれば、他県というような場所だったので、夏になればセミやカブトムシ、クワガタなんぞがいっぱい取れる。
そんな田舎でのことだ。

西に傾いた黄昏色に染まる空の下、長く伸びる影を追いかけるようにして、ボクは家路についていた。

ヒタヒタ。
ヒタヒタ。

という音が聞こえた気がした。

 

振り返る。

誰もいない。

誰もいないのだ。

なのに、奇妙な音がする。

なんだか怖くなって、ボクは走った。

息が上がるくらい走って、振り向いた。

すると、居た。

電信柱の影から、こっちを見る何かが居た。

 

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この時の恐怖は今でも忘れられない。
子どものことだし、黄昏時である。
なにかしらの影を見間違えたという可能性も高い。
けれど、子どもだったボクは泣きそうなほどに怖くなって、また走った。

とにかく逃げようとして、走ったのだ。

暫く走っていると、一緒に集団登校しているお兄ちゃん連中がいた。

ボクがあまりにも必死な顔をして走っているので、心配になったらしい。

「犬にでも追いかけられたんか?」

と聞かれて、もう一度振り返る。

「電、信、柱の影に、なんかおった」

「お、おう」

ここで即座に否定しなかったのが、彼らの優しさなのだろう。
その日は彼らが一緒に帰ってくれた。
もう、あの変な影みたいなのは居なかった。

でも、なんか怖かった。

家に帰ると、バアちゃんに話す。
バアちゃんは、キセルを吸いながら言った。

「大丈夫や、そんな変なものがおったかて、わてがなんとかしたるさかい」

根拠も理屈もないバアちゃんの言葉だが、なんだか安心できた。
でも、結局は怖くて、いつも帰っている友だちが復帰するま、別クラスの友だちと一緒に帰ったヘタレとはボクのことだ。

あの変なものを見たのは、これが最初で最後である。